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ベッドタウンを席捲する'100円野菜'パワー

愛知県支部協会正会員
 小島 正之
 2年前、市街地から郊外のベッドタウンに引っ越しました。周辺はまだまだ田畑が多く残り、のどかな風景が広がっています。効率よく野菜をさばきたい農家と新鮮な野菜を求めるサラリーマン世帯のニーズが一致して、近所一帯は無人野菜売場が点在しています。地元では'100円野菜'と呼ばれ、全て1つ100円で販売しています。

 休日の朝ともなるとベッドタウンから人がどっと押し寄せ、いくつかの売場をはしごする人の姿が多く見られます。評判の野菜売場には人が集まり、予約販売するほどの人気です。'100円野菜'パワーに圧倒され、地域の中堅チェーンスーパーの野菜売場は元気がありませんでした。

 ところが、最近変化が起きました。スーパーが、野菜売場に土日曜日限定で'100円野菜コーナー'を設けたのです。コーナーには地域の農家が野菜を置き、それぞれの野菜には生産者名が入っています。この売場は、当初駐車場で開かれていましたが、予想以上に人が集まり店内売場に昇格しました。スーパーが'100円野菜'パワーを認め、集客手段として活用することで共生しようとしているようです。100円ショップ「ダイソー」の野菜版といったところでしょうか。

 繁盛している'100円野菜'売場を観察すると、生産と消費を結び付けるマーケティング・ミックスがしっかりと実践されているのが分かります。
▼製品戦略…旬の野菜で季節感を演出。毎日入れ替わる商品。
▼価格戦略…全品100円で分かりやすく、スーパーで買うよりお買い得
▼チャネル戦略…取りたて野菜を畑の前の売場へ。流通コストゼロ。

▼プロモーション戦略…買い物客との気さくな会話。ぬくもりのあるPOP広告。たまにはちょっとおまけ。
 これらの前提として、当然、生産者の地域住民としての信頼が非常に大切になります。実際、妻に聞くと、数ある売場の選択基準は「あの人が作っている野菜なら間違いない」という信頼感だそうです。個人の名(人格)がブランド化しているわけです。情報化の急速な進展で流通経路の短縮が進む今日、インターネット通販を初めとする消費者直結型ビジネスを繁盛させるカギも、同じようなところにあるのではないでしょうか。


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